スキマノート

AIメーカーなどのwebサービスを作っています。ここでは気になった技術、話題などをまとめたり、雑記を書いたりします。

【昔話】1日数PVからTwitterや広告を使わずに累計1億PVを達成するまでにしたこと

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こんにちは、2z(Twitter: @2zn01 )です。

先日、こんなツイートをしました。


この記事を書こうと思ったきっかけ

この記事を書こうと思ったのは、 運営者ギルド という個人でwebサービスやアプリを開発・運営している人たちのSlackのグループがあり、そこで Hiroz さんと あんど さんがこんな話題を話してたことがきっかけです。

リリース当初にバズって喜んでたら数ヶ月は下り坂一直線...


Hiroz さんは、クイズで観光スポットの魅力をみつけるWebサービス「Korette」を開発されています。
また、観光したい人、地域に住む人が、街の魅力で繋がることのできるプラットフォームということで、2018.3の「東京都オープンデータアプリコンテスト」で準優勝(優秀賞)した実績もあります。

korette.fun

あんど さんは「クイズメーカー」という、だれでもクイズを作って遊べるクイズのプラットフォームサービスを開発されています。
少し前にリリースされてバズっていたのと、リリース後も継続的に開発されており、Twitterのタイムラインでクイズを目にしたことがある人も多いかと思います。

quiz-maker.site

どちらも素晴らしいコンテンツプラットフォームです!
ぜひアクセスして遊んでみましょう!


個人的にはリリース当初にバズるというだけでも、圧倒的強者ではあるんですが、、
バズっても一時的に賑わっただけでその後、鳴かず飛ばずになってしまうというのはあるあるだと思います。
あと、リリース当初にバズってドカーンだと、どうしてもそれを維持するという方向に意識がいっちゃいますよね。。

ただ、一時的に人が来たとしても、ユーザーさんがそのサービスを使い続けたいと思ってもらえなければ、右から左に流れてしまいます。
なのでシンプルに考えると、大事なのは「どうやったらずっと使ってもらえるか」と「どう人を呼び込むか」の2つにつきるかと思います。

僕が中学生の頃に運営を始めたガラケーサイトはゼロベースのスタートだったので、この2点を徹底的に考えて運営してました。
そこさえできれば、アクセス数は自ずと増えていくだろうと。
(まぁ、実際のところ、これができたら苦労しないんですが...)
なので、大事にしていたのは「人に来てもらうこと」と「来た人にブックマークしてもらうこと」の2点です。

運営してたサービスについて

僕が運営していたサービスは、ガラケー向けの検索ポータルサイトです。
大したコンテンツではありませんが、ポータルの入り口として使ってもらえるように、ガラケーで欲しい情報が手に入るメタ検索エンジン的なサービスを運営していました。

当時のガラケーの検索エンジンというのは、今のGoogleのようなこれがあればいい!みたいなものはなかったため、特定のジャンルに特化した検索エンジンを集め、それを選択してサクッと検索できるようにするだけで、結構多くのユーザーさんに使ってもらえました。

サービスを作るうえでは、ガラケー向けの検索エンジンをジャンル別に分け、欲しい情報にたどり着けるように工夫しましたが、技術的にも、内容的にも大したことはやってません。

ただ、当時のガラケーからの情報収集のしにくさは自分でもよく感じていたため、これあったらいいなぁと考えて、サービスとして形にしました。

なので、人が来ればそのまま使ってもらえるだろうという自信が当時はあったので、後はどうやって人を集めていくかが問題でした。

PV数の各フェーズごとに実践したこと

以下、PV数の各フェーズごとにやったことを書いてみます。

数PV / 1日 のときにしたこと

最初、ガラケーサイトを始めたのは、中学生のときです。
このときは始めたばっかでしたので、サイトはそれこそ1日10アクセスとかからでした。

最初は怒られない程度に色んな掲示板で宣伝してました。
これを続け、1~2か月かけて何とか1日100アクセスぐらいまで持っていきました。

100PV / 1日のときにしたこと

次にやったことはランキングサイトへの登録です。

ランキングサイトとは...

ランキングサイトとは、ユーザーに人気の高いサイトをランキング付けするサイトの事です。ランキングの付け方はサイトによって多少異なりますが、 ランキングサイト側から配布されるバナーやリンクを自分のホームページやブログに貼り、そのリンクを踏んで行った人の数が多ければ多いほど「アクセスが多い」=「人気がある」という判定となります。

ランキングサイト登録でブログやHPのアクセスアップ より


つまり、自サイトからランキングサイトへアクセスを送った分だけ、ランキングサイトの上位に掲載されるようになり、ランキングサイトから自サイトへの流入が増えます。


最初のうちは、大きなランキングサイトに登録しても、上位にいくことはできませんので、上位に入れるくらいの小さなランキングサイトに登録しました。
また、登録するランキングサイトを選出するのに大事な条件として、イン/アウトの割合があります。
自サイトからランキングサイトへのアクセスをイン、ランキングサイトから自サイトへのアクセスをアウトとし、アウトの割合が大きいランキングサイトを狙います。
自サイトからランキングサイトへのアクセスの流出は最小限に、ランキングサイトから自サイトへのアクセスへの流入を最大限にすることで、自サイトにどんどん人が集まっていく仕組みを目指します。

この方法で、アクセス流入のコスパの良い小さいランキングサイトに登録し、何とかその中で上位にいくようにし、ランキングサイトから自サイトへの流入を増やす、というのを数か月かけて続け、1日1000アクセスに届くところまで持っていきました。
また、やり過ぎはご法度なのですが、少しでも順位をあげるために自分でもランキングサイトへのリンクを1日1回だけクリックしたことも覚えています。

1000PV / 1日のときにしたこと

そして、ある程度アクセスが集まるようになったところで、ランキングサイトだけでなく、別サイトとの相互リンクもしました。

相互リンクとは...

相互リンク(そうごリンク)とは、2つのウェブサイト間で互いに(相互的に)リンクし合う状態を表す。 多くの管理者は相互リンクをした場合、そのリンクが相互リンクであることを明確化するため、「相互リンク」と表記する。ウェブサイトによっては相互リンクの募集を行っていたり、相互リンク申請用のメールフォームを用意していることもある。

相互リンク - Wikipedia より

これも最初は自分と同じくらいのアクセスがあるサイトをターゲットにお願いをしました。
ただ、同じカテゴリのサイトだとアクセスをとられることを気にして、相互リンクをのせたがらない人もいるので、多少関連しているサイトをひたすら探しました。

アクセスを奪われない程度に関連しているサイトだと、相互リンク先のサイトから自サイトへの大きな流入が期待できます。
また、逆に自サイトから相互リンク先のサイトへのアクセスも増えるため、相乗効果が生まれ、お互いに大きく成長できる可能性があります。

ランキングサイトと相互リンクをうまく活用して、アクセス数が増えていくにつれ、徐々に、口コミだったり、(相互ではない)勝手リンクをつけてくれるサイトも多少増えてきて、ある程度何もしなくても人が来るようになっていきました。

そして、頃合いを見てランキングサイトも複数に登録していきます。
ただし、ここでも大事なのが、流出を最小限に流入を最大限にできるランキングサイトに厳選して登録することです。
まだまだアクセス数は無駄にはできません。

こうして、この段階までくると、ようやく10000PV / 1日 に届くところまできました。
実際にここまででくるのに、1~2年ぐらいかかったと思います。

1万PV / 1日のときにしたこと

1万PVといったまとまったアクセスが増えてくると、かなり楽勝モードになってきます。

今度はもうちょっと大きめのランキングサイトに複数登録していきます。
しつこいですが、ここでも大事なのが、流出を最小限に流入を最大限にできるランキングサイトに登録することです。
イン/アウトの割合だけは絶対に妥協せずに、アクセスの絶対数を増やしていきます。

自サイトに1日1万PVが集まるレベルになると、多少有名なランキングサイトであれば上位にいくことができるので、比較的楽に人を集めることができます。
これは投資で例えるならば、元手を増やせた状態になります。 10万円から1000万を増やすのはかなり大変ですが、100万から1000万であれば、増やせる可能性が高くなります。
こうして、レバレッジを効かせて、さらに拡大していきます。

また、アクセス数が増えるに従い、口コミも広がってくるので、それも相まってアクセス数も急上昇していきました。

30~40万PV / 1日まで

あとはさらに有名なランキングサイトに登録して、同じことを繰り返すだけですね。
これを続けて、最終的には1日30~40万PVを集めるところまで持っていくことができました。

ここまでくるのに、7~8年という長い道のりがかかりました。
実際に累計で1億PVを達成したのは、6~7年目ぐらいのときだったと思います。

そして....

8年目というときに、ここまで成長してきたガラケーサイトを一瞬で失います。

原因はドメイン失効です...。

まだ大学生だった僕はクレジットカードを持っていなかったため、毎年、銀行振込で対応していたのですが、、その頃はちょうどYahooメールからGmailへ切り替えた時期で、ドメイン更新のメールも見逃してしまっておりました。

ここから得られる教訓は、、

  • みんな、ドメインはちゃんと更新するんやで...
  • できればドメインは自動更新にしてこうな...約束やで...

まとめ

1日数PVから始めたサイトをTwitterや広告を使わずに累計1億PVを達成するまでにしたことは以下の通りです。

大事にしてたこと

  • どう人を呼び込むか (=まず人に来てもらうこと)
  • どうやったらずっと使ってもらえるか (=来た人にブックマークしてもらうこと)

やったこと

  • 掲示板などでの宣伝
  • ランキングサイトへの登録
  • 相互リンク

上記はやろうとすれば誰でもできることですが、まずは継続していくこと、そしてアクセスアップの循環を回していくための仕組化をすることが大事と感じました。

また、これは10年ぐらい前にやったことなので、今はあまり参考にならない部分も多いかと思います。 今にもっと適したやり方があると思います。

例えば、Twitterのトレンドに度々登場し、話題になっている アプリ☆メーカー さんはTwitterをフル活用していますよね!
(ユーザーがコンテンツを作るCGMの仕組みとTwitterによる拡散をうまく活用して回しているので、めっちゃ参考になると思います!)

その時々の時代によってやり方は変わっていきますが、

  • どう人を呼び込むか
  • どうやったらずっと使ってもらえるか

という2つのことが大事なのは変わらないと思います。

最後に

僕は7~8年も泥臭いことを継続してやってきたので、サービスの利用者を増やしていくのがどれだけ大変かは分かっているつもりです。
また、このときの7~8年間を思い返してみて、もう一回同じことをやったとしても、達成できる気はしません。
その時々で最善は尽くしてきたつもりですが、それほど1億PVを達成できたのは運だと思っています。

そして、これだけ大変なことをして7~8年積み上げてきたサービスをドメイン失効というちょっとしたミスが原因で一瞬で失いました。

でも、そんなことがあっても、今、僕が個人でサービス開発を続けるのは、何より自分がこれあったらいいなぁというイメージを作り上げるのが楽しいからなんですね!

アクセス数を増やすのは大事だと思いますが、たぶんそれってあくまで一つの指標に過ぎないなぁ~と僕は思います。
もちろん、お金を稼ぐということが目的であれば、広告収入を増やすにはアクセス数が大事なものになります。

実際に僕が中学生の頃にガラケーサイトを始めたのは、当初は広告収入で稼ぎたいということが目的でした。
なので、その目的を達成するのに必要なことをシンプルに逆算し、

  • 広告収入を上げるにはアクセス数が必要だな
  • アクセス数を上げるには人を集めなければいけないな
  • 人を集めるためには、使い続けてもらえるようなコンテンツが必要だぞ
  • そして、人を呼び込む方法、それを仕組み化していくことが大事だな

といった具合に考え、実践していました。

でも、今やっているものは、お金を稼ぐというよりも、自分の作りたいものを作って楽しむっていうのが一番の根底にあります。
今、開発しているサービスの一つである、AIメーカーもこんな仕組みあったらいいなと思い、作り始めたものです。

aimaker.io

最初のガラケーサイトはお金稼ぎという目的から始めたものでしたが、やり続けていく中でサービスを自分の思った通りに作っていくのってめっちゃ面白い!ということに気づきました。
なので今は、アクセス数はあくまで一つの指標、それだけに目がいってしまい、自分のやりたいこと(楽しむということ)を忘れることがないようにはしたいところです。
(とはいえ、そのサービス作りに必要なお金はうまく生みだしていきたいです。)

本当に大事なもの、目的は見失わずにやっていきたいですね!
みなさんもぜひ、自分の成し遂げたいことを高い視座をもって見つめなおし、やっていきしましょう!

今回、昔話を書いてみましたが、もし、こんな話も聞いてみたいといったご意見などありましたら、Twitter: @2zn01 をやってますので、ぜひ遠慮なくご連絡ください。

また、この記事をお読みの方で個人でwebサービスやアプリを開発・運営している方がいらっしゃったら、 運営者ギルド 、めちゃおすすめです!

それでは!